ダンボーの北海道さまよい歩きの旅。2022年の11月中旬に立ち寄ってみたのは留萌市の大和田駅。廃線の足音がすぐそこまで聞こえている留萌本線の小さな駅。
次の3月をもって現役の駅から引退することになる、留萌本線の大和田駅。
大和田駅は留萌-深川間の開通とともに1910年に開業。
当時、近隣にあった大和田炭鉱の所有者であった大和田荘七という人が寄付する形で開業し、大和田炭鉱でとれた石炭を留萌の港へと運ぶことを目的としていたみたい。
その点、なんだか隣の藤山駅の成り立ちとも似ているような気がする。
大和田炭鉱は大正時代の中ごろに一度閉山したものの、北炭が経営者となって復活。そして、大正の終わりごろには再び閉山。
昭和の時代に入ると大和田鉱業所が設立されるものの、高度経済成長期のころには閉鎖。大和田駅の名の由来となった炭鉱業の歴史は、1959年に幕を下ろしてしまった。
それでもなお、残り続けた大和田駅。
現在残されている駅舎は、見ての通りの貨車駅舎。
有人駅時代にはしっかりとした駅舎が建っていたらしい。それも、隣の藤山駅と同じ形の駅舎だったとか。
成り立ちも似ていて、駅舎も似ていたなんて考えると「双子の駅」というイメージが浮かんできちゃう。
いまはもう建物は残されておらず、貨車駅舎の割には立派な土台があるなあなんて感じてしまうだけ。
大和田駅も令和の時代に歴史に幕を下ろします。
いまは小さな駅だけど、北海道の工業の歴史を支えていた駅だったんだろうなあ。
【場所】
【留萌市 大和田駅】
【訪問日:2022.11.12】