ダンボーの北海道さまよい歩きの旅。2022年の11月中旬に立ち寄ってみたのは留萌市の藤山駅。廃線・廃駅の足音がすぐそこまで聞こえてきている、留萌本線の小さな駅。
1910年、深川と留萌を結ぶ路線が開通するとともに開業となった藤山駅。
ポツンと立つ小さな駅舎は、なんともかわいらしい風情が残る無人駅。
峠下駅や真布駅のような人里から離れた駅ではなく、住宅地の傍に建ってはいるものの、1日の利用者は1人以下という状況の藤山駅。
今も残る駅舎は、開業当時に建てられたものという説もあれば、昭和の初めごろに建てられたとする説もあるようで、正確なところは不明。
ただわかっていることのひとつは、元々はもっと大きな駅舎だったってこと。
無人駅になったころに、駅舎の事務所部分が解体されて、半分残されたのがいまの形だってこと。
小さな待合室。上を見上げたら、すごく大きい蛾がぶら下がってた...あまりわかりにくいけれど、見た瞬間はぞわっとしてしまった。
ところで。
藤山駅の所在地は留萌市の藤山町。
藤山町にあるから藤山駅なんだろうと思うところだけれども、ちょっと違うみたい。
時は明治。
小樽で海運業や倉庫業を営んでいた藤山藤吉という人が、オホーツク方面での漁業に取り組んだ後、次は内陸部だということで留萌原野に作り上げた藤山農場。その農場内に駅があったから藤山駅と名付けられたらしい。藤山町という名前が付いたのはその後なんだとか。
そういう記念的な場所でもあるためか、藤山駅の前には藤山開拓の碑もおかれていたりする。
汽車くる?
もう少ししたら来るよ
いそげー
駅巡りの人かな。一人だけ降りてきたと思ったら、また乗って行っちゃった。
ばいばーい
ぽかぽか陽気の春を迎えることなく、終止符を打つことになる藤山駅。
なんともかわいらしい風情のある駅舎は、残されるのかなあ。
【場所】
【留萌市 藤山駅】
【訪問日:2022.11.12】