北海道ミテミル イッテミル (北海道観光スポット巡り旅)

ダンボーを相棒に北海道のあちらこちらを巡る訪問記。観光スポットからB級スポットまで、見たい北海道・魅せたい北海道を捜し歩いています。ひっそりとでも続ける旅の備忘録。

沼田町 ドラマのロケ地にもなった恵比島駅

ダンボーの北海道巡り歩きの旅。2022年の11月中旬に立ち寄ってみたのは、沼田町の恵比島駅。知らずに行くと「?」となってしまう、不思議な空間の恵比島駅。

2023年3月末をもって運行が終了となる留萌本線の留萌・石狩沼田駅間にある恵比島駅。

駅行ってみよー

明治も終わりに近い1910年に留萌・深川間が開通するとともに恵比島駅は開業。昭和の初めごろの1930年には、ホロピリ湖方面にあった太刀別炭鉱や昭和炭鉱で採掘された石炭を運ぶための炭鉱線が開通し、恵比島駅へと直結。採れた石炭を留萌の港へと直接運ぶことができるようになり、当時は話題になったという。

おっきいえきなんだね

しかしながら1971年には炭鉱線が廃止となり、当初はにぎわっていたであろう駅周辺の地域も、現在は民家もまばら。寂しげで静かな駅前になってしまった。

こっちだよー

ちっちゃい方なの?

恵比島駅へと行ってみると、目につくのは大きくて立派な風格のある大きな建物。でもこちらは本当の駅舎ではなくて、隣の小さなのが恵比島駅舎。一見すると駅舎の横にあるトイレに見えてしまうけれど、こちらが本来の駅舎。

ちゃんと見れば、大きな建物の方には「明日萌駅」と書かれており、「恵比島駅」ではない。

賑わいのなくなった恵比島駅は、平成の世になって再び脚光を浴びることになった。
1999年に放映されたNHK連続テレビ小説「すずらん」の撮影ロケ地として使われたことにより、この地が一躍有名になったという。

本来の恵比島駅の駅舎は車掌車両を改造した貨車駅舎。テレビドラマの撮影の際に、カムフラージュを目的として板張で覆われ、撮影終了後もそのままとなり、独特な雰囲気を漂わせている感じ。

薄暗い駅舎の中は、よく見かけるような貨車車両。窓が少ないからか天気が悪かったからか、けっこう暗めでした。

雪の多い地域だからか、除雪用のダンプが立てかけてあった。

あたりまえだけど、貨車駅舎の向こうにあるのが恵比島駅のホーム。

いまはまだ現役のホーム。

グーグルマップで見ると線路の向こうの方には、留萌鉄道の本社の跡地などもあるらしい。

煙突とか、そういう感じなのかな。

でも、書いてある文字は違うよね。

それにしても、二つの駅が共存しているような雰囲気もまた独特。

留萌本線の恵比島駅が廃駅になっても、ホームや駅舎そのものは、ロケ地ということもあって、しばらくはそのまま残りそうですね。

ちなみに明日萌駅のある場所は、貨車駅舎に代わる前の恵比島駅の駅舎があった場所だそうで、残されていた基礎を活用しながら建てられたものだとか。
明日萌駅の駅舎は強度不足で一度解体されたものの、再構築されて今に至っているとのことです。4月~10月ごろは内部も見学できるらしいですが、私が行ったのは11月。残念ながら、窓から中を見ることしかできず。

そして駅周辺には同じくロケで使用された建物が、そのまま残されているみたいです。以前の写真とくらべると、塀がなくなっていたりと、かなり簡素になっているような気がしますが。

私自身もドラマを見ていなかったので、ドラマのロケ地としての感慨は無いんだけど、なんとも風情のある空間は素敵でした。
でも、ドラマが放映されてから20年を超え、この先はドラマを知らない人が増えていくだけと思うと、この地域を訪ねる人も少なくなる一方かもしれない。そう思うと、ちょっと寂しい。

昭和・平成と話題となった恵比島駅。令和の時代にも、もう一つ花を咲かせることができるといいね。


【場所】

 


【沼田町 恵比島駅】

【訪問日:2022.11.12】