ダンボーの北海道さまよい歩きの旅、8月の中旬に訪れたのは蕎麦の町・幌加内町。幌加内の市街地から政和地区へと抜ける畑の少ない山間の路の途中にひっそりと佇み歴史を伝える、旧深名線第三雨竜川橋梁。
深名線は、 深川から幌加内を通って名寄へと通じていた全長約122kmの鉄道路線。1924年に一部路線が開業し、全線開通となったのは1941年。人々の生活を支えてきた線路だったけれども、林業・炭鉱業の斜陽化とともに衰退。常にワースト10に入る赤字路線とまでなり、平成の世の1995年に廃止されるに至った。
深名線開通の最難関工事とも言われていたのが、1931年竣工となったポンコタン渓谷にかかる第三雨竜川橋梁工事。
橋梁の架設工事は谷や急流に阻まれ足場の構築が困難だったため、北海道内初の吊足場式架設工法により建設されたという。
深名線廃止後も第三雨竜川橋梁は残され、かつてここに線路が走っていたことを後世に伝える歴史遺産となっている。
橋の上は立入り禁止ではあるけれど、けっこう近くで見ることが可能。
架設工事に関しての詳細な記録が残っていることなどから、橋そのものも2009年には土木学会選奨土木遺産にも登録されたらしい。
緑色の橋は周りの世界に溶け込んでいるといえば溶け込んでいて調和が取れているようにも見えるけれど、溶け込みすぎていて目立たない感じもあるのがちょっと残念。
春・夏に見るとひっそりと静かに佇む姿。たぶん秋・冬となると、自然の中に潜む人工物としての迫力が感じられそう。
現役時代には第一・第二橋梁もあったらしいけれど、いまも残るのは第三のみ。
線路があったところは、今はただの砂利の道。昔はここに線路があって、あの橋へと汽車が進んでいったんだ。
とくだん駐車場が準備されている場所ではないけれど、橋の周辺は広めの空き地があるので、そこに停めてしまえば特に問題なさそうです。
【場所】
【幌加内町 旧深名線第三雨竜川橋梁】
【訪問日:2019.08.15】