江差の姥神大神宮。その神社は創建1216年ともいわれ(1447年とする説もある)、北海道最古参の神社のひとつとされている。
神社はもともとは別の場所にあったが、1644年に現在の地に移ってきたという。
建物自体は再建されたものでもあり古いものではないが、北海道の神社としては歴史が古く、北海道の営みを初期の頃から見つめてきた神社。
昔々、江差の津花に「折居さま」と呼ばれる老婆がすんでいたという。彼女は未来を予知することができ、様々な予言を行ない当てることで、人々は助けられていたという。
ある日、なぜか神島という場所が光り輝き、おどろいた老婆はその島に渡ってみたという。
そこで出会った老翁から与えられた瓶子に入っていた水を海にまくと、ニシンの大群が海に押し寄せてきて、その村のニシン漁は豊漁になったという。
後日、村人たちが御礼を伝えに老婆の家を訪ねると、彼女の姿はどこにもなく、部屋の中には神像が残されていただけだった。
村人たちはその神像を姥神として祀り、そして後に姥神大神宮へとなったという(ウィキペデア要約)。
追分ソーランラインから小樽へと続く日本海沿いの道は「ニシン街道」とも呼ばれるほど、ニシンとのつながりが深い地域。江差もまたその町のひとつ。
ニシン伝説のひとつとなる物語と深くかかわる古い神社。それがこの姥神大神宮。
なお、老婆が持っていた瓶子が石に変わったものとされているのが、鴎島にある瓶子岩といわれている。
さて、この姥神大神宮。歴史が古いだけではなくて。
その年のニシン漁を終えて活気あふれる江差の町で開かれる姥神大神宮渡御祭は、350年ほど昔から続いている蝦夷地きっての古いお祭り。ヤマと呼ばれる神輿が蝦夷地の江差の町を練り歩くという。
はるか昔から続く神社、そしてはるか昔から伝わっているお祭り。そして蝦夷地きっての活気あふれる港町、そこに残る古い街並みのレトロな雰囲気。
江差という町は侮れない。
【場所】
【江差町 姥神大神宮】
【訪問日:2018.09.29】