ダンボーと歩く北海道、7月上旬の曇り空の日に立ち寄ってみたのは洞爺湖町。何千年も前の時代に栄えていたのであろう地区、洞爺湖町の入江貝塚公園へと。
北海道の道南地方に、噴火湾を囲むように並ぶ縄文遺跡群。そのひとつに数えられるのが洞爺湖町の入江・高砂貝塚。
洞爺湖町に、600mほど離れて並ぶ2つの縄文貝塚の一翼を担うのが入江貝塚。貝塚といえども発掘作業は終わり、入江貝塚公園として史跡公園となって開放されている入江貝塚。
狩猟と採集を営み暮らしていた縄文時代。本格的な農耕が始まる弥生の時代が始まるまで、長きにわたって続いていたという縄文時代。
紀元前3,500年~紀元前800年ごろにかけて形成された入江貝塚は、長い期間にわたって土のなかへと潜り、1942年に住宅施設建設工事を行なった際に貝塚が発見されたという。
その後の発掘調査の過程で3箇所の大規模な貝塚がみつかり、貝塚の中からは縄文時代前記の人骨が4体、中期が4体、後期が7体と、合計で15体分の人骨が見つけられたという。
実際はすべての発掘が行なわれてたわけではないらしいので、この場所にはまだ眠りについたままの人骨もあるのかもしれない。
貝塚というと「食べた後のゴミ捨て場」という印象があったのだけれども、そうではなく、貝塚自体が神聖な場所として取り扱われていたいうことらしい。
なんか「貝塚から人骨」と聞いて、まったく違う方向が頭の中に浮かんでしまっていた。縄文の人、ごめん。
おべんきょ ちゃんとできてるかな
入江貝塚公園は1998年に国指定遺跡となり、それと同時に入江貝塚公園として開放された公園。
公園の中には縄文の歴史に触れることのできる解説パネルも並び、5000年ほど前の世界を知ることができる場所。
そして、復元された縄文時代の竪穴住居も設置されている。こんな家で北海道の冬を過ごしたのかと思うと、それだけ怖くなる。土をかぶせてあるのが正解なんだろうけれど、ほぼ「外じゃん」としか思えない。
本来の公園の入り口には、貝塚の断面を見られるように貝塚の中を通る「貝塚トンネル」があるのだけれど、この日は夕方ということもあってすでに施錠済み。
残念ながらではあったけれど、この貝塚トンネルの中を歩くと、この地域の特徴的な黒っぽい地層の断面や、刺さるように埋もれているシカやイルカの骨が見られるらしい。もしかすると表面に見える断層の奥のほうには、いまなお静かに眠り続ける縄文人がいるのかもって。
縄文期の長きにわたって栄えていたであろう入江の地。ここでは北海道では本来手に入らなかったであろう物も発掘されているらしく、他の地域との交流も盛んだったのかもしれない。どうやって海を渡ったんだろね…
近くにある博物館「入江高砂貝塚館」とセットで見るほうが印象も深まるのだろうけれど、この日はもう閉館後。ここで縄文の人が暮らしていたんだなあなんて、数千年前の時代へと思いをはせてみるのもまた一興。
お勉強できた?
たいへんそー
さむそーだった
...
駐車場らしい駐車場は見当たらなかったけれど、正面の貝塚トンネル前の階段下か、裏口の住宅街の道に路駐するかになりそう。理想を言えば、入江高砂貝塚館に車を停めて2~300メートル歩こうということになるかもしれないけれど。
【場所】
【洞爺湖町 入江貝塚公園】
【訪問日:2020.07.04】