ダンボー・ニャンボーの道内征服の旅。5月中旬には恐竜と化石と石炭の街・三笠市と向かい、幾春別川にかかる古いコンクリ橋である「幾春別橋」に立ち寄り。
かつて、幾春別炭鉱と奔別炭鉱という二大炭鉱を抱え繁栄していた幾春別地区。働く人と働く場所、そして商店街や飲食店が並び立ち、賑わっていた幾春別。
その町の中を流れる幾春別川にかかる「幾春別橋」。
大正15(1926)年に架設され、通称「コンクリ橋」や「川向橋」とも呼ばれているコンクリート製の橋。車は通行できないけれど、いまも人が歩いて渡る、そろそろ100歳をむかえる橋。
完成当時は洋風のランタンが街燈として備え付けられて、人々で賑わう街を象徴するような、近代的でおしゃれ感のあふれていた橋。いまでいえば、有数のデートスポットとしてかぞえられていたであろう、そんな橋。
橋の向こうには炭鉱が、橋のこちらには働く人たちの住宅街が立ち並び、行ってきますとと橋を渡って炭鉱へ行き、橋を渡ってただいまと帰ってくる。そんな人々を文字通り支え続けていた幾春別橋。
上流のほうには車も通れる立派な橋もできているけれど、こちらの橋もまた人々の現役橋として使われている。
そうはいっても100年の歴史。形あるものはいつかは形無きものへと変化を続ける世の摂理。
日々、少しずつ少しずつ。形なきものへの変化を続けていくんだと思う。
かつて栄えた幾春別地区の名残ともいえそうな幾春別橋。炭鉱は無くなってしまったけれど、いまもここは現役の橋。日本遺産に選ばれた奔別炭鉱で働く人々の歩みを支え、歴史の重みを支える橋。過去形ではなく、今も支える橋。
【場所】
【三笠市 幾春別橋】
【訪問日:2019.05.11】