北海道ミテミル イッテミル (北海道観光スポット巡り旅)

ダンボーを相棒に北海道のあちらこちらを巡る訪問記。観光スポットからB級スポットまで、見たい北海道・魅せたい北海道を捜し歩いています。ひっそりとでも続ける旅の備忘録。

芦別市 紅葉映えの旧三井芦別鉄道炭山川橋梁

ダンボーの北海道あっちへこっちへとさまよい歩きの旅。2020年の10月中旬に立ち寄ってみたのは芦別市。市街地から少しばかり離れたところにある、旧三井芦別鉄道炭山川橋梁へと。

炭山川を流れる谷にかかる、国道425号線の炭山川橋。その橋に並ぶようにして、深い谷を渡るように架かっている旧三井芦別鉄道炭山川橋梁。そしてその橋の上に置かれている、懐かしいれレトロな雰囲気の漂うディーゼル機関車。

初めて見たのは芦別の市街地から三段滝へと向かう途中。橋梁の存在も知らなかったので、「あれ何だろ…」と不思議に思いながら通り過ぎた思い出。

時をさかのぼること太平洋戦争への足音が聞こえ始めたころの昭和15年。芦別の石炭増産を目指した鉱区拡大に伴い、石炭輸送を目的として芦別の地に開業した三井芦別鉄道。

当初は現在の芦別駅のある場所から三井芦別駅までの約4kmほどの石炭運搬船用路線から始まったものの、のちに旅客列車の運転も始めることになった。

戦後には三井鉱山がさらに増えたことにより、さらに奥地の方へと5kmほど延伸。その工事の際に造られたのが、この旧三井芦別鉄道炭山川橋梁。
しばらくの間は、戦後の復興や高度経済成長期の影響もあってか、大勢の人々が利用していたみたい。

しかしながらその後、石炭産業の衰退や車社会の到来によって、三井芦別鉄道は昭和47年には旅客業を廃止、平成元年には石炭輸送も終了し全線廃止という歴史をたどることになった。

炭山川橋から見下ろしても深い谷という感じのある場所。そこを通る94mの橋梁。炭山川からの高さは30メートルを超え、建築工事は非常に難工事だったらしい。そりゃそうだよね。

そしてさらに時は過ぎて21世紀の平成21年には国の登録有形文化財に指定。さらにさらに令和の世には「炭鉄港」を構築する一つとして認定されることになった。

ちなみにこちらの写真は、展望広場から撮ったもの。

4月の終わりごろから10月の終わりごろまでは、国道425号線からこちらの展望広場までが立入可能。その他の期間はここに来る前の段階でゲートが閉められており、展望広場までは来ることはできず、炭山川橋の上から眺めることだけが可能。
なお、当然といえば当然だけど、旧三井芦別鉄道炭山川橋梁の上は立入禁止。

だけど、炭山川橋の上から見える姿も、それはそれで素晴らしい。大きな車が通ると揺れて怖いんだけどね。
記憶では、前に見たときは、もっと左側の方に機関車があった気がするんだけど、気のせいかな。貨車が森の中に半分くらい隠れていて、「出てきた!」って感じもあった気がするんだけどなあ。

ちなみにこの辺り、橋梁と反対側の世界も、またきれいでした。

かつてこの地に炭鉱があった。そしてこの場所に橋を架けて運ぼうとする熱量が、この地にあった。

そんなかつての賑わいの一端を感じてしまう、旧三井芦別鉄道炭山川橋梁でした。

機関車が飾られているセンスが、いいなあなんて思う場所でもありました。


【場所】

 

【芦別市 旧三井芦別鉄道炭山川橋梁】

【訪問日:2020.10.18】