ダンボー・ニャンボーの道内巡り歩き、松前に行ってみたのは4月の下旬。桜まつりでにぎわう松前城の一角、江戸時代末期に建築された建物の残る龍雲院へと立ち寄りながら。
ここは松前城の北面の防衛を固めるために形成された寺町の一区画。かつては15寺が存続していた寺町も現存するのは龍雲院をふくめて5つほどが残るのみ。
この龍雲院は松前家7世公広の奥方が、亡くなった長男の冥福を祈って発願し1625年に創建された曹洞宗の寺院。惣門、本堂、鐘楼、龍神堂などの建物が建てられたのは、維新の風が京都や江戸をかけめぐる幕末の頃。
龍神堂は道南地域が維新の風の残り香が荒れ狂っていた戊辰戦争の中で破損してしまったものの、明治の初期に再建されて今に至っている。
こちらの龍雲院は、松前の中で現存する寺院建築としては一番古いものとも言われており、江戸時代の姿をそのまま現在に伝えている貴重な建物ともなっている。
また庭に咲く桜のひとつが、松前三大名木のひとつとされている蝦夷霞桜。
右側の蝦夷霞桜は、残念ながら開花準備中。満開時期は血脈桜よりも一週間ほどあとといわれており、例年GW後に満開になることが多いらしくって。
なんか半熟の目玉焼きを食べたくなるような花を眺めながら周りを見ていると、気がついたのが白い花。
ここに咲く白い花が、白いタンポポ、シロバナタンポポ。
内地では珍しくないものみたいだけれども、北海道でこの白いタンポポが見られるのは松前だけとも言われている。
北海道がまだその名前を持たず、松前藩だった時代に観賞用として内地から持ち込まれたという。いまやると、もしかしたらすごく怒られてしまうかもしれないけれど。
そのタンポポが生きていける北限が北海道の南端ともなる松前町なのか、道内ではここでしか見られないらしい。
道外から来た旅行者にしてみれば、写真を撮ってる人たちの姿が不思議に見えているのかもしれなくって。
事前情報も何も持たずに門をくぐってみたのだけれども、そんなに歴史ある建物と思っておらず、もうちょっとみてみればよかったなと後悔もしたけれど。
ほとんどの建物が再建されたものだと思いこんでいたので、後から調べてちょっと驚いてしまったり。
またいつか、ゆっくり眺めに行ってみよう。
蝦夷霞桜が咲く頃には、タンポポが終わりごろになってしまいそうな気がするのが、なやみどころ。
【場所】
【松前町 龍雲院のシロバナタンポポ】
【訪問日:2019.04.28】