ダンボー・ニャンボー道内征服の旅、5月7日に室蘭の幌萌町へ。そこにあるのは、推定樹齢約180年といわれている、幌萌町の大山桜。そこは開花の時期の夜間になると地元の有志の方々の力でライトアップが行なわれ、夜の闇の中に堂々たる姿が浮かび上がる場所。
寿命をはるかに超えているといわれるこの桜の木は、高さ16メートル、幹回り4.3メートルの大木。
胆振地方最大級のエゾヤマザクラであるとともに、室蘭市の保護樹木にも指定されている大桜。
180年前とすると、1840年ごろ。当時の日本は江戸時代。後世からみると、そろそろ幕末の始まりが見え始めるころあいで、ペリーさんが黒船で「開国してー」とするのが1853年。
まだまだ江戸幕府の重臣たちものんきに構えていた頃。工業都市室蘭の工業化の足音も聞こえない頃から、ここに建ち続けていることになる。
自然しかなかった室蘭の地に生まれ、人々が住み始め、線路が引かれ、岩見沢原運ばれた石炭が船積みされるようになり、工場が立ち並ぶ。
戦争での艦砲射撃を潜り抜け、大きな砂浜が港に変わるのを見守り、いつの間にか港を橋が渡るようになり、そんな歴史をずうっと感じてきている大桜。
ライトアップの時期にはピアノの夜間コンサートも開かれていたりと、優雅な空間に変わる場所。
この大桜のすぐ横には「臥龍の霞桜」と名付けられている、ほぼ横たわった桜の木もあるみたいなのですが、行ったときにはまったく気がつかず。看板は目にしたけれど、てっきり大桜の名称のことだとばかり思っていたという。
ライトアップされているのは大桜の方だけなので、夜に行ってもなかなか気がつけなさそう。こちらはエゾヤマザクラよりも10日ほど遅く咲くようなので、咲いている姿を同時に見ることは難しいのかも。
それにしてもこの場所、夜にいきなり行くとどこに行けばいいのかがよく分からなくなりそうな所で、つい道を見落とすと、なかなかたどり着けずに細い坂道をうろうろすることになってしまうので注意が必要。
私自身も「あれ?」って、桜の木の上のほうの小道に出てしまい、どうやって下に行くんだろうと悩んだり(回りも暗いんですよ)。
今でも元気に咲く桜、損傷が激しくなってきているようだけれども、いつまでもお元気で。来年は明るい頃に行ってみたいかも。
【場所】
【室蘭市 幌萌町の大山桜】
【訪問日:2019.05.07】