長万部、白老、と聞くと頭の中でつくりあげられるイメージは「ドライブイン」。はるかはるか昔。
子供のころ、この街中を通るとき、乗っていた車の窓から見える景色は、立ち並ぶドライブイン。いろんな看板のドライブイン。
長距離ドライブの道すがらの、ほっと一息、ひとごこち。そんな場所が並んでいた大沼国道5号線。時は過ぎて。
コンビニができあがり、道の駅ができあがり、ファミレスも隆盛し、立ち寄る人が減っていく。そして高速が開通し、立ち寄る人がさらにさらにいなくなっていき。
当たり外れの大きい個人経営のドライブインよりも、当たりは無いけど外れも無いコンビニやファミレスが選ばれるようにもなって。
そうしてできあがってしまった夢の跡。元気なお店もまだいっぱいあるけれど、寂しく残る廃墟に目がいっちゃう。
かつてはにぎわっていたであろうと思えば思うほど、華やかだったと思えば思うほど、ひっそりと静まり返ってしまったお店についつい心を奪われる。
一部営業中という話も見かけたけれど、「かにめし」の文字が怪奇映画のポスター風の建物。ゆでたカニの何かが。。。って感じちゃうようなインパクト。
(もしかすると、この建物の左側のほうに建つ建物は、まだ営業しているのかも)。
あわせて、看板のでっかいかに。雨風にやられてしまったのか壊れかけていて。右のつめが無くなっちゃって、けんかに負けた後みたいで、なんだかかわいそう。
裏側(?)もまた、つめが剥がれ落ちそうな勢いで。
何とも痛そうな雰囲気。
駐車場は立ち入り禁止にもなっていないので、ちょっと散策。この建物自体は見る限り営業をしている雰囲気ではないけれど。そんなことを感じながら、建物裏側の海の方へと。
これ、たぶん看板からはがれたカニのつめだよね。裏口をふさぐように、ひっそりと置かれていて。
いつかは直す予定なのかな。
カニの看板、そばに寄ればトゲまであって、こだわりを感じさせるような意外なリアル感。
かつては明るいいまと未来が、いっぱいつまっていたであろうドライブインの夢の跡。そんな建物が点在する、海沿いの国道5号線。
【場所】
【長万部町 国道5号線沿いのでっかいカニ】
【訪問日:2018.07.29】