ダンボー、ニャンボーの北海道巡り歩き。5月の中旬に訪れていたのは遠軽町。四季折々の花々が咲くといわれる太陽の丘えんがる公園、その一角をなす巨大な奇岩、その名は瞰望岩(がんぼういわ)。
遠軽駅のそばにある遠軽神社のあたりから岩に登る道もあるようですが、この日はたいようの丘えんがる公園内の道路で途中まで行って、そこから徒歩で。
園内の地図はなかなか分かりにくいけれど、道の数は少ないので、たぶんちょっと周れば見つかるはず。
一種パワースポットとしてもオカルトスポットとしても知られているらしい瞰望岩。地上78メートルともなる岩の頂、そこから眺める遠軽の街並みは絶景と言われている。
この手前に車を止めて、徒歩で。瞰望岩の頂上までは坂道ではあるけれど10分も歩かずにたどり着ける感じ。
あたりはすでに夕暮れ。照明はないので、ここは暗い夜には来ちゃいけない場所。
なぜかというと、
落下防止の柵等は、一切ない。
一休みできそうな東屋はあるけれど、その周りには崖下につながる空間をさえぎるものは一切ない。
ほんとうに何もない。そんなばしょにぽつんと置かれている休憩場所。
かすかに写る岩の先は、78m遠くにある地上。ぼんやりと仕事の悩みを癒していると、ちょっと危なそう。
瞰望岩は、溶岩と火山灰が一緒となって水中に堆積し固まってできた岩でつくられている岩丘。堆積したのは約1,000万年前の中新世とされており、日本がユーラシア大陸から分離し日本海が形成されていた頃。
岩の上から見下ろす遠軽の街並みが続く平野部は、近くを流れる湧別川によって長い年月をかけてつくられてきたもの。その川の浸食をまぬがれて取り残された硬い地層の塊が瞰望岩。
古くからアイヌの人たちにとっての神聖な場所とされており、辺り一帯を眺望し見張っていたとも言われいる。「見張りをするところ」という意味を持つアイヌの「インカルシ」という言葉が遠軽という町名の由来になったらしい。
「インカルシの戦い」という伝説の中では、かつて湧別アイヌと十勝アイヌがこの地で激しく戦った際に、最後の砦として湧別アイヌが立て篭ったのがこの瞰望岩。
十勝アイヌに攻め落とされそうになり、ここを最期の地と覚悟を決めたまさにそのときに湧別川が大氾濫を起こし、十勝アイヌは川の流れに飲み込まれ、湧別アイヌはかろうじて生き残ったとされている。
奥のほうには、ちょっと廃化していそうな天文台があるけれど、見た感じちょっとのぼるのには勇気が必要。
階段とかちょっとこわい。
さすがにこちらの建物には手摺があるけれど。
誰もいないということもあって、ちょっと落ち着かない感じ。
暗くなり始めた景色にお別れ、といいながらも、せっかくだから下から見上げてみる。
すっかり暗くなっちゃったけれど。
あんなところに、こんな時間に1人でいたら、なんか通報されてしまいそうだね。
機動戦士ガンダムのアニメーターとして知られている安彦良和氏は、この遠軽町の出身者。ガンダムという単語には瞰望岩という言葉が由来になっているとかいないとか。
たぶんちがうけどね。
【場所】
【遠軽町 瞰望岩】
【訪問日:2019.05.18】