北海道ミテミル イッテミル (北海道観光スポット巡り旅)

ダンボーを相棒に北海道のあちらこちらを巡る訪問記。観光スポットからB級スポットまで、見たい北海道・魅せたい北海道を捜し歩いています。ひっそりとでも続ける旅の備忘録。

室蘭市 生き残った旧絵鞆小学校の円形校舎

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ダンボーと歩く北海道。2020年の4月下旬に立ち寄ってみたのは室蘭市の旧絵鞆小学校。白鳥大橋の麓ともなる場所に立つ、話題にはなりながらも、主流にはなれなかった円形校舎の形を残す、絵鞆小学校の跡地へと。

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明治25年に常盤小学校の分校として個人の自宅を仮校舎として始まった小学校は、明治32年に常盤小学校から独立し、絵鞆尋常小学校としての歴史の幕を開けた。

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鉄の町、工業の町、港の町として人々が集まっていた室蘭の地。高度経済成長による活気を帯びていた室蘭も、鉄鋼業の落陽と共に人口も減少。

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絵鞆小学校は明治、大正、昭和、平成と4つの時代を経て、平成27年3月末をもって閉校となってしまった。

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いつの間にか北海道から全国区へと行ってしまった俳優・安田顕が通学していた小学校としても、一部では有名でもある。

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現在も独特な形を残す円形校舎は、鉄の街室蘭に活気があふれ出していた昭和33年に建築された建築物。

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当初は右側の教室棟が建設。

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2年後には左側の体育館棟が完成。

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2つの円形校舎が連なるおしゃれな校舎として、室蘭の鉄鋼業の発展と衰退を見守ってきた。

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廃校となった後、校舎は耐震強度等の問題から解体の方向で進められていた二連円形校舎。一時期は解体寸前まで話が進んでいたものの、様々な人たちの働きかけにより存続の方針へと急遽展開することになった。

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よかったね

小学校としての時間も止まり歴史も止まってしまったけれど、円形校舎は生き残ることになった。

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絵鞆小学校の建つ地の下には、はるか昔の縄文時代の遺構も眠っているという。

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通常の校舎よりも建築コストが軽減できるとされ、完成時には「円形校舎時代」とも呼ばれ、主流になるかとも言われていたらしい円形の校舎。

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しかしながら全国でも主流となることもなく、逆に残る円形校舎は数少なくなってしまった。

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鉄鋼業の発展と共に作られた絵鞆小学校。

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そして鉄鋼業の隆盛とともに建替えられた絵鞆小学校円形校舎。

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そして鉄鋼業の衰退にともなって、徐々に徐々に生徒も減り、ついにはつなぐ歴史の幕を下ろした絵鞆小学校。
静かにひっそりと佇むその場所は、はるか彼方の歴史の思い出が眠る場所。

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歴史の幕を下ろす中、生き残った円形校舎。
白鳥大橋の麓から、かつての歴史を背負いながら、未来に向けて残り続けてほしい場所。

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元気でね



【場所】

【室蘭市 旧絵鞆小学校円形校舎】

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【訪問日:2020.04.26他】