ダンボーの北海道ぶらり旅。2020年9月の中旬に立ち寄ったのは佐呂間町のサロマ湖畔。サロマ湖を高台の上から見下ろす展望台の中でも、湖畔沿いの国道からさほど離れてもおらず立ち寄りやすい展望台、ピラオロ展望台。
アイヌ語で「崖のあるところ」の意味を持つピラオロ。ピラオロ展望台はサロマ湖に面した25mほどの高さの崖の上に立つ意外と立派な展望所。
こんにちは
逃げないでー
サロマ湖畔を通る国道から展望台へと向う入り口が一見分かりにくいうえに、入ってすぐに路面が舗装から砂利道に変わるので「ホントにあってる?」と思ったりもするけれど、200mも車を走らせればひらけた駐車場に到着。
ピラオロ荘の駐車場も兼ねている展望台前のスペースは10台くらいはとめられそうな雰囲気。ピラオロ荘を利用しなくても停めてOKだし、駐車料金も無料。ついでに、展望台の入場料も無し。
駐車場から階段を数段上れば展望台。
展望台そのものは室内から眺められる1F部分と屋上展望台の2段構成。1Fは室内なので窓越しになってしまうし、見晴らしはよろしくない。
屋上の方が、きっときれいなの
ここはやっぱり屋上から。
お天気が悪くて青さを感じないのはご愛嬌だけど、サロマ湖が目の前に広がる。
とは言っても、眼下に広がるのは富武士漁港。その向うに広がるサロマ湖。
周囲の木々もテラス付近まで伸びているので、見晴的にはすばらしくいいというわけではなかったりもするけれど。
でも、遠く対岸のオホーツクと分け隔てる砂州地帯の連なりがうっすらともみえる。こちらの眺望、お勧めは春~秋にかけてサロマ湖の西方へと沈んでゆく夕焼け時らしい。
その昔、アイヌの人たちはこの場所からサロマの魚影の群れを探して、漁業を営んでいたらしい。
アイヌの人たちが漁業を営んでいた昔のひととき。その頃、十勝アイヌと北見アイヌの争いが起こり、サロマにおいても日夜激しい戦いが繰り広げられたという。
アイヌの若者サンクルも同族の危機に瀕して立ち上がり、美しい少女メノコに涙で見送られながら戦場へと赴いていった。
しかしながらサンクルの勇姿が帰ってくることはなかった。
のこされたメノコは涙に明け暮れながら毎日のようにサンクルが旅立っていた方角を、いつか戻るかと眺めていたという。
そしてある日、泣き疲れたメノコはピラオロ台から身を投じてしまった。
湖の水はマチカの涙でいまなお辛く、ピラオロ台に咲くユリはマチカの姿を映しているかのように風に揺れ続けているという(看板より一部抄訳)。
そんな悲しみの伝説をも持つピラオロ台。立ち寄る人は少なそうだけれども、サロマの湖を気軽に眺めおろすには、的確な展望台。
ばいばい
またね
今度は夕日のときに来ようね
お天気、だいじょうぶかな
【場所】
【佐呂間町 ピラオロ展望台から】
【訪問日:2020.09.12】