ダンボーの北海道巡り、6月の上旬に行ってみた泊村の兜千畳敷岩。そこは釣り場として有名なところで、大勢の釣り人が日本海を泳ぐ魚と格闘を続ける場所。
国道229号線にある兜トンネルの南側入り口付近から、兜トンネルでは無く廃道と化した海沿いに向かう道。そこは廃隧道にいたるまでは通常に通行できる場所。
立入り禁止となってふさがれた廃トンネル。このあたりから海側に降りると、そこに広がる兜千畳敷岩。
黒っぽいごつごつとしながらも平面な岩場が蒼い海の方へと突き出して広がって。幾人もの釣り人があちらこちらで海釣り中。
急な斜面を降りていくと岩場のほうへ行けるけれど、そのまま斜面を降りてもいいし、有志の人が準備したと思われるロープを伝って降りるのもよし。帰りはたぶんロープを握ってのぼるのがよさそうな急さ。
平らそうに見えても、そこはごつごつとした岩場。なかなか歩きにくくはあるけれど。
何ともいえない独特な雰囲気が漂う場所。
ここにある水たまりは、おおむね海。
海の波に取り残されて、蒼く広い海に帰り損ねた海。
小さい貝や小さい岩ガニが、あちらこちらに。
そびえたつ崖の岩肌もまた独特な雰囲気を持っていて、滑らかそうな黒色感。
そんな場所を歩き回っていると、更なる独特な雰囲気に出会える場所。
廃道っぽい崖ふちの道っぽいところのさらに奥。
影絵の悪役のような面持ちを持つ崖肌のシルエット。
鉄仮面をかぶった黒騎士が建ってるようにも見えてきて。
あれがたぶん兜岬の兜岩。
天然自然が生み出した、海と風の彫刻像。
奥州から逃れてきた源義経の残した兜が岩になったとも伝えられる兜岩。
あるいは、その昔。アイヌの少女が、命の次に大切にしていた秘宝の金の兜をこの地に隠し、その隠し場所を誰にも告げることなく命を落としていまい、その兜が岩へと姿を変えて現世に現れたとも伝えられる兜岩。
そんな岩の姿を見ることもできる場所。
自然の手でつくられた彫刻も、いつかは自然の手で壊されてしまいそうで。
崩れることなく、その異様な迫力をもった姿を残してほしいと思ったり。
【場所】
【泊村 兜千畳敷岩にて】
【訪問日:2019.06.08】