ダンボーの北海道さまよい歩きの旅。2022年の11月中旬に立ち寄ってみたのは留萌本線の真布駅。「真布」と書いて、素直に「まっぷ」と読む真布駅。マップからマップが消えるという評判もたつ真布駅。
石狩沼田駅から留萌方面へと向かうと最初にたどり着く小さな駅。
2023年の3月末日をもって現役の駅としての役割を終える留萌本線の真布駅。
周囲はほとんど畑に囲まれている中、踏切のわきにポツンと佇む真布駅。少し離れた場所に家が建ってはいるものの、ほんの数軒。旅行中に間違ってこの駅で降りちゃったら、絶望に包まれてしまいそうな、そんな場所。
それでも1日2~3名ほどの乗降があるらしい。
真布駅は1956年に石狩沼田駅と恵比島駅の間に仮乗降場としてつくられたのが始まり。その後昭和も終わりに近い1987年、国鉄が分割民営化されたときに駅へと昇格。
開業以来無人駅として佇んできた真布駅は、留萌本線の他の駅と比べると歴史は浅そうだけれども、小さなホームにポツンと待合室が建つその姿は、長い歴史を持っているかのような風格が漂う場所。
雪が降り積もる冬にこの付近には来たくないなあと思っていたけれど、降り積もる雪に囲まれている真布駅の姿は、寂しげな佇まいとあいまって、とてもいい感じの雰囲気が出てきそうではある。
2023年の3月をもって留萌本線の留萌・石狩沼田間が廃線となってしまうため、現役の駅として活躍する期間もあとわずか。
待合室というよりも、古びた学校の体育用具の物置を思い出すような建物も、近い将来なくなってしまうかもしれない。
光のあまり差し込まない中に入ってみたら、小さくて細いトンボみたいな虫がいっぱいいて、ちょっとこわかった。壁にある穴もいっぱいあって、そこから差し込んでくる光が、また物悲しい気分。そもそもドアを開けたら外れちゃったので、無茶苦茶あせった。
歩くだけでもギシギシときしむ板張りホームも、現役として残る期間はあとわずか。3月末日には、人がいっぱい集まりそうでもある。
全然気にしていなかったから気が付かなかったけれど、待合室の恵比島駅方面側の側面には、うっすらと「眞布」と書かれた駅名表示板があるらしい。撮った写真では、表示までは見えていないけれど。
廃線区間となる留萌本線の中でも、とても小さな駅。この冬をどうかご無事に。
【場所】
【沼田町 真布駅】
【訪問日:2022.11.12】