ダンボーとさまよい歩く北海道の旅。2021年の2月下旬に訪れていたのは比布町。2021年3月12日にその役目を終えることになった北比布駅と南比布駅を、現役のうちに一目見ておこうかと思い向ってみたんです。
比布と書いて「ぴっぷ」と読む比布町のぴっぷ駅。その駅を挟むようにして並ぶ、北比布と南比布。
ぼく 北ぴっぷ
じゃあ ぼくは南ぴっぷだ
ぱ行が多いからか、Pが多いからか、なんだか楽しげな気持ちになっちゃう駅表示。
これを書いている今日この時間は、もう駅としての役目は終えているけれど、北比布と南比布へと。
【北比布駅】
こちらが北比布駅。単線の線路に寄り添うように並ぶ、小さな駅と小さなホーム。
踏切が駅のすぐすぐ目の前。
畑の中にぽつんと佇む小さな小さな駅。言われなければ、駅とは認識できなさそう。
北比布駅は昭和30年に仮乗降場として開業したのが始まり。
地元の人の負担で待合所を設置し、昭和34年には駅へと昇格。畑の中の小さな駅とはいえ、昭和30年代後半には、1日の平均乗客数は50人前後はいたらしい。しかしながら、平成の世が終わりを迎える頃ともなると、0.4人程度まで減少。
すくな...
残念ながら、今回のダイヤ改正で廃駅となることが決まり、長年の役目を終えることになった。
現在残っている駅舎は、平成26年に建替えられたもの。意外に新しい。
地域の交通の要と言うよりも、ピップのCMとあわせて名所として知られていたような気がする北比布駅。
廃駅が決まったのち、駅名表示の金属プレートが2枚とも盗まれてしまったという出来事も発生。持ってたら犯人になっちゃいそうなのに、誰にも見せずにとっておくのかな…
きたぴっぷ、文字を当てれば「来た、ぴっぷ」。比布町の訪問スタンプみたいな感じだったんだけど。これもまた時の流れでもある。
おなかもすいたの...
【南比布駅】
そうしてこちらが南比布駅。
南比布駅も北比布駅と同様の歴史を歩んできた駅。昭和30年に仮乗降場として開業し、地域住民の負担で待合所を設置し、昭和34年に駅へと昇格した場所。
こちらも小さな駅舎と小さなホームが線路に寄り添う駅。
どこにいるかな?
もう来たの?
北比布と同様に、南比布もまた開業時からの無人駅。
雪の中に埋りながら、静かに佇む待合所。
南比布駅も、昭和30年代後半には1日平均で50人前後の乗客数があったという。しかしながら平成の終わりごろともなると1.8人ほどに。
北比布駅よりも周囲の建物が多いからか、ちょこっとだけ多いけれど、こちらもダイヤの改正で廃駅となり、長きの役割を終える。
トラは?
ご飯食べてから来るって
中で待ってよ
南比布駅もまた、2枚の駅名表示の金属プレートのうち、1枚が盗まれてしまったという。まるで北比布駅と兄弟のように、その歩みも似ているのかも。
【比布駅 ピピカフェにて】
両脇にぴっぷを控えし比布駅。その駅舎内にあるお土産屋さん兼軽食屋さんがピピカフェ。
ランチタイムは終わっていたけれど、ケーキセットやトーストセットはまだ購入できたので、かるくご飯。
ケーキにしようか迷いながら、トーストセット。
バター塗るの、下手なんだよなあ…
がんばってぬったのに...
お土産にはイチゴジャムも買ってみた。
【比布町 南比布駅にて】
南比布駅の駅というか待合所もまた、北比布と同じような雰囲気。
ちなみに、北比布と南比布の待合所の建物は、廃駅後にぴっぷスキー場に移設され、別の形で活用するという計画もあるみたい。
まだかなー
まったー?
きたー
2つの駅が無くなることで、「ぼく、きたぴっぷ」「じゃあ、あたしは南比布だ」の台詞も伝わりにくくなっちゃうけれど。
長きにわたって続いていた駅に。
ばいばい
【場所】
【比布町 北比布駅と南比布駅】
【訪問日:2021.2.28】