ダンボーの北海道さまよい歩きの旅。2020年の8月中旬に立ち寄ってみたのは神恵内村。いまはもう住む人のいなくなったオブカル石地区にある、小高い坂を上った先にある展望台、「あんない展望公園」へと訪問。
1996年に神恵内村から積丹町の神威岬方面へと国道229号線が開通するまでは、道のない海岸線か山道を通って来なければならなかった神恵内村の窓岩周辺。
ジュウボウ岬や西の河原の神恵内市街地側にあたるこの付近は、かつては「陸の孤島」とも称されていたらしい地域。
あんない展望公園は、人の住まないオブカル石地区を通る229号線から、階段を上った先にある展望台。
階段、ある?
あんない展望公園へつながる階段の前には、駐車帯のような10台程度は楽に停められそうな駐車場があるけれど、その割には立ち寄る人が少ないのか、気軽に上っていいのか不安がよぎる雰囲気。
いちおう階段にはなっているけれど、草が多すぎて登るのも大変そう。
ちなみに8月に訪問した際には、国道を抜けた先にある西の河原の駐車場は、クマ出没のため閉鎖中。さらに不安がよぎっちゃう。
階段と坂道を登りながら振り向けば、青い海に向って伸びるジュウボウ岬。
草が伸び放題の道を上っていくと、かすかに展望台の姿が見えてくる。
そして、なにやら白いヒトガタ。
なんか、こわいの
暗い夜に来て、懐中電灯の灯りにあの人影が浮かんだら、間違いなくコワい。悲鳴を上げちゃう自信がある。
だいじょーぶ
それにしても、ここに夏場に来るのはオススメできないかも。蜂もすごく飛んでるし、ほかの虫もすごい。草も伸び放題だから、蛇が歩いていても分からない。真夏は避けたほうがよいのかも。
さて、先ほどの白いヒトガタの正体は。
あまりにも独特なフォルムでつくられている安内小学校の跡の石造。
いまは誰も住まなくなったオブカル石にも、かつてはニシン漁に勤しむ人たちが住んでいた。そんな人々の家の子どもたちのために、明治17年にこの地この場所に寺子屋として始まった安内小学校。
昭和22年に神恵内村立安内小学校の名を受け歴史をつむいだものの、ニシン漁の衰退と共に住む人々は減り、昭和42年に廃校に。
明治・大正・昭和と3つの時代にわたって、この地で西の河原、ジュウボウ岬、そして窓岩を眺めながら学んだ生徒318名を送り出し、歴史の幕を閉じた安内小学校。
道路も無かったころのこの景色を眺めながら、育った子どもたちを送り出して学校は終了。いまはその跡地が「あんない展望公園」として、積丹にもほど近い日本海の海を眺める展望所として再起動。とはいえ、訪れる人は少なそう。
そして展望公園に東屋のように佇む展望台。
海はとってもきれいに見える。
ジュウボウ岬のほうもきれいに見える。
窓岩も見えるのだけれども、窓岩を窓岩たらしめる肝心の「窓」がこちらの角度からは見えず、ただの岩。
あんない展望公園は、ジュウボウ岬や日本海の青い海を楽しむ場所かな。
人の住まなくなったこの地に残される小学校の跡。
見つめる先は、ただただ広がる蒼い海。
まねっこー
それにしても独特な造詣は印象に残り続けそうだし、知らずにきたら宗教施設ぽさを感じてしまうかも。ほら、「西の河原」もあるし。
あんない展望公園は見晴らしもよくて、美しき世界が広がる展望公園ではあるけれど、たぶん窓岩ではなく、ジュウボウ岬側の景色を楽しむ展望台なんだろうな。
ただ、目立つような大きな看板もないので、知らずに通り過ぎて行く人が多いかも。
バイク停めてた人も、上がってこなかったし。
なお、この訪問から1ヵ月半くらいが過ぎた2020年10月1日には「あんない展望公園」が熊出没ということで閉鎖されました。
えっ...
もしかしてもしかしたら、そばにきていたかもね。春には開放されていそうな気もしますが、念のため。
また、こちらの展望公園には施設らしい施設は「展望台」しかなく、付近にはコンビニとかもいっさいありませんのでご注意を。
【場所】
【神恵内村 あんない展望公園から】
【訪問日:2020.08.16】