ダンボーの北海道さまよいの旅、8月の中旬夕暮れ時に迷い込んでみた街並みは夕張市のキネマ街道。ひと世代ふた世代、時代を飛び越えてしまったようなレトロでシネマなストリート。
石炭で栄えた街、夕張。石炭産業が斜陽化し炭鉱も閉山される中、夕張が掲げた言葉。
炭鉱から観光へ。
かつてのテーマパーク、石炭の歴史村も夕張が見た夢の跡。
1990年から始まった夕張国際ファンタスティック映画祭も、夕張が力を注いだ観光事業の一つ。そしてこちらは開催時期が夏場に変わったにしても、2020年度も続く映画祭。
映画祭が開かれるようになった頃、活気の無い商店街を華やかにしようとして掲げられるようになった映画看板。名付けてキネマ街道。
かつてはいろんな場所に飾られていた映画看板。最近ではあまり見ることのない看板。
通学路の途中にあったりして、どんな映画だろ?、おもしろそう! なんて眺めていた昭和の時代。ランボー、サランドラ、メガフォース、なんだか昔を思い出す。東宝東和、だまされてばかりだった気がする。
情報はあまりあふれていなかった昭和の時代。看板から伝わってくる雰囲気はがとっても人を魅せていた時代。
そんな昔を思い出させるキネマ街道。そこは寂しげでレトロな街並み。
残念ながら多くの看板が色あせてしまっているけれど、それもまたレトロで淡い思い出の色。
キネマ街道設立当初は鮮やかな色彩だったようだけれども、さすがに年月の移り変わりは看板の色合いにも。そして、いくつかの看板は建物がなくなったりするのにあわせて消えていってしまっているのが残念。
この先新しく設置されることも無いだろうし、作り直されることも無いだろうし。話によると、札幌に唯一残っていた職人さんが描いたとか。
それにしてもブロンソンが二つ残るのもマニアック。
急な坂道、坂の下は家族の町の商店街、坂のうえは大人の町。たぶんここは大人の坂。でも酔っ払った後にこの坂道はやばいんじゃ…
それにしても、お散歩中は人にあうことのないまま猫に会うこと多し。
黒猫率が高すぎて、帰宅途中はどきどきしてしまった。黒猫が横切ると災いがって言うし。
右上の方に見える家は、幸福の黄色いハンカチのワンシーンが撮られた場所って、後から知った。映画そのものを、まだ見てないけど。
まだまだ見てない映画も、いっぱいあるんだよなあ…
まねっこー
昭和の時代に紛れ込んでしまったような、思い出がこみ上げてくるようなキネマ街道。色あせるのも、取り残されたようなひとつの味わいと思いながら、楽しむのもまた一興。年々看板は老朽化し減っていっているようなので、まだの方はいまのうちに。
また増えるといいんだけど…
ちなみに、キネマ街道用の無料駐車場が先ほどの急坂と「思い出橋」という橋の間にひっそりとあります(看板も出ています)。散策の際にはそちらに車を停めるのがよいと思われます。
【場所】
【夕張市 キネマ街道にて】
【訪問日:2020.08.15】