ダンボーの北海道内さすらいの旅、2018年の8月にぶらりと立ち寄ったのは函館は恵山方面。函館から恵山方面を結ぶ国道278号線の途上にあるサンタロトンネル。そのトンネルを通らずにさらに海側を通る路に入ると、そこは旧道・函館恵山線。日浦洞門・道南金剛・サンタロナカセ岬と秘境感があふれる地域への誘い路。
サンタロトンネルが完成した後は、地域に住んでいない限りはあまり通ることがなくなったであろう函館恵山線。そこはサンタロトンネルが完成する前は国道として活躍した細い道。
断崖絶壁の続く日浦海岸を通り抜けるため、硬い岩盤を素掘りによる開削によって昭和4年につくられたトンネル群。手掘りでつくられたトンネルは、今なお現役のトンネルとして活躍中。
今となっては、シェードによる補強やトンネル入り口の上部が補強されているけれど、昔はシェードは一切無く、むき出しの岩盤がぽっかりと口をあけていたという。そんなワイルド感溢れる姿は、日浦洞門の単語でグーグルなどで画像検索していただけると目にすることができると思う。
昭和4年の開通当初は1号から9号まで9個のトンネルが並んでいたらしい。後に9号トンネルが撤去され、8号トンネルも平成14年に行なわれた防災工事の際に撤去されてしまったらしい。
話によると平成8年ごろから一時期通行止めが長らく続いていて、再度開通したのが平成18年ごろらしい。もしかしたらその際に8号トンネルが撤去されたのかも。
そして今も残る7つの洞門。
長いところで50m、短いところで5mという7つのトンネル。
トンネル内を歩いて岩肌をさわってみると、滑らかさのかけらも感じられないごつごつさ。触ると痛いくらい。転んで頭を壁にぶつけたら、たぶん救急車もの。
渡島半島が襲ってきそうな日浦海岸の絶壁が道路の片側に続く中、もう反対側は広い海。どこかの無人になってしまった島にでもいる気分。
天候が荒れると直ぐに通行止めになったりするらしい。きわめて落石注意の細い道。
そしてこの細い道はバス路線。対向車が来ると、譲り合わなくちゃ絶対無理。あちらこちらに退避場がつくられているけれど、そこは断崖絶壁直下。
この日は雨と曇り空の夕方時。もっと天気のいい明るい時間帯にまた行ってみたいと思ってる、昭和初期の技術と人力の結晶のような場所。
【場所】
【函館市 日浦洞門】
【訪問日:2018.08.15】