ダンボーの北海道巡り歩き、7月の上旬に立ち寄ってみたのは、上士幌町の糠平温泉郷からさらに三国峠方面へと足を伸ばしてみた、タウシュベツ橋梁展望台。
国道273号線を糠平温泉郷から三国峠方面(旭川方面)へと8kmほど向かった森に囲まれた場所にあるのがタウシュベツ橋梁展望台。
展望台の前には駐車帯はあるものの、気がつかなければ素通りしてしまいそうな場所。なんとなく「道が広い」程度にしか感じさせない場所が駐車帯。
ここに車を停めて展望台方面へ向かう森の中へと足をすすめていく。
はいり口は小道になっているので行けばわかるけれど、車で走りながらだと見落としてしまいそうな案内板。
立ち寄った際にテンションが上がったおじさんが「何回も素通りしてたぁー」と感慨深げにお話していたけれど、注意していないと見落としそうな場所。グーグルマップ便利。
森の中の小路を歩くこと200メートルほど。
歩みを進めていくと、小さいながらも開けた明るい展望台。
そして、遠くに見えるタウシュベツ橋梁。
展望台の約750メートルほど先に静かにたたずむタウシュベツ橋梁。双眼鏡がないと見れないかもと思ったけれど、おもいのほかはっきりと。
タウシュベツ橋梁は、1937年に国鉄士幌線の糠平~幌加駅間に建設されたコンクリートアーチ橋。
1955年に糠平ダムが建設されることとなったため、当該線路は移設。かつて林業により切り出された材木の運搬の一端を担ったタウシュベツ橋梁は、糠平ダムの完成とともに糠平湖に沈むことになってしまった。
春に山の雪が解けて増水すると水の中へと沈んでいき、7月ごろには水没。水位によって見えたり見えなかったりを繰り返し、冬になると糠平湖とともに凍りに包まれ、厳しい冬の温度変化や風雪に耐え続けて、春になるとまたその姿を現す幻の橋。
タウシュベツ橋梁が水に沈んで30年を過ぎた1987年には士幌線全線が廃線となり、列車がこの周辺を走ることもなくなった。
毎年のように「つながった姿を見れるのは、今年が最後かも」といわれながらも、いまもまだ連続するアーチ橋の姿を保っている。けれど、一部大きな崩落が進んでいるので、長い将来にわたってその姿を保つことは難しそう。
ここを訪れたのは7月6日。例年ならば雪解けの水が押し寄せて、かなり水位が高くなってくる時期なのだけれども。
今年は雪が少なかったのか、あまり水位の上昇が見られず。この時期にこれほど湖底が見えるのは、かなりレアな状況。湖底にならぶ、枯木と切り株の姿もまた、独特の味わいで。
ちなみに、タウシュベツ橋梁をもっと至近距離で見たい場合には、NPO法人が運営しているツアー(有料)に参加するのがよろしくて。その際には、橋の目前まで行くことが可能。
なお、この展望台から見ていると、ある時間になると橋のそばにわらわらとナガクツをはいたツアーの人たちが登場して散策をし始めるので、「写真撮りたい!」という方はご注意を。
おおむね9:30頃から1時間、14:30頃から1時間くらいは、ツアーの人が散策していそうです(ツアー出発~到着→散策1時間くらい)。
また、この付近の国道には覆面パトカーがかなり待機しているらしく、林道への入り口あたりにちょこんと隠れていることが多いらしい。ここは鹿も熊も歩く道路。スピードを出しやすい道ではあるけれど、ご注意を。
【場所】
【上士幌町 タウシュベツ橋梁展望台から】
【訪問日:2019.07.06】