ダンボーの北海道巡り歩き、2018年の7月に立ち寄ってみたのは、むかわ町の奥地に佇む富内駅。
富内駅は日高本線から鵡川駅で分岐して、日高町駅までを結ぶ富内線の途中駅。
大正終盤となる大正11~12年に開通し、林業・鉱業の貨物運搬とともに育ってきた富内線。富内駅からさらに奥地へと延びる線路の開通は大幅に遅れ、日高町まで延伸し全線開通となったのは昭和39年。そして昭和の終わりも近い昭和61年には全線廃線となった旧富内線。
富内駅は富内線にあった駅のひとつで、いわゆる廃駅。
いまは富内鉄道公園として昔の姿を今に伝える場所。
廃線廃駅のなかでも、残されているホームや線路の規模は大きいほう。
天空へと向かう線路は、宮沢賢治の世界観を模して作られたものらしい。銀河鉄道の夜というよりも、別の銀河鉄道を思い出してしまうけれど。
ちなみに訪れたのは昨年の7月、胆振東部地震発生よりも前。むかわは震源地にも程近いため、無事に残っているといいのだけれど。
この富内鉄道公園は宮沢賢治の世界観に準じて作られているものがほかにもあって、目のような花壇もまた宮沢賢治に準じた花壇。「涙ぐむ眼」ともよばれる花壇は、静かに天空を見つめている。
汽車は動くことなく展示されているけれど、自転車のようなトロッコは自由に動かしていいみたい。
ほぼほぼ自転車みたいな感じではあるんだけれども、脱線したりすると大変そうなので。
ちなみに映画「鉄道員」製作の際には、こちらの駅から小道具が貸し出されたりしたらしく。
その名残が幾ばくか、駅舎内のパネル展示となって残されていて。写真が色あせてきているのが、ちょっと物悲しいけれど。
近所の子どもたちの遊び場ともなっている富内鉄道公園。特段施設があるわけではないけれど、比較的大きな規模で残る線路の姿は、駅跡としては珍しいような気がする。
【場所】
【むかわ町 富内鉄道公園】
【訪問日:2018.07.22】