室蘭八景のひとつ地球岬。そこから見る海と空との水平線は、地球って丸いんだってことを改めて実感できるとも言われる絶景ポイントのひとつ。
地球岬は、100メートル前後の断崖絶壁が14kmにも渡って連なる絵鞆半島の太平洋側の一角をなす景勝地。
アイヌ語の「ポロ・チケプ(親である断崖)」を語源とし、なまりなまっていつの頃からか「地球岬」と呼ばれるようになったという。
昭和の終わりごろに「北海道の自然100選」、「あなたが選ぶ北海道景勝地」、「新日本観光地100選」などで1位を獲得したころに展望台もつくられて、その名を多くの人々に知られるようになっていった。
どうしても組織票感はぬぐえないところはあるけれど、それでも景色のいい場所であることは間違いない。ついさっきまで工場の立ち並ぶ街にいたはずなのに、ちょっと街から外れればあらわれてくる絶景の海。
駐車場から展望台までは5分もかからないので、気軽に景色を楽しめる場所。
地球岬を地球岬たらんとする海は日の出との相性もよく、初日の出の際にはそれなりの人々が集まる場所ともなっているらしい。
ところが、夕日はもちろんのように日の出の方向とは反対側。地球岬を地球岬たらんとする方角とは逆向きに沈んじゃう。
海の向こうの噴火湾の向こう側、山の方へと消えていく。
地球岬から見る夕景は、地球岬の地球岬らしい絶景感とは相性があまりよくないけれど。えとも半島に連なる断崖のあいだから見えてくる夕日は、これはこれで美しく。
日が落ちて暗くなり始めれば、今度は灯台にも火が灯り始めるころ。
100メートルを超える断崖絶壁からさらせり出したようにつくられている展望台。その下は奈落の海。けっこう怖い。
空も紺色が深くなり始めると、もう夜の始まり。
紺色の空が深みを増していけばいくほどに、灯台の輝きが増していく。
むかしむかし、立派な展望台が作られる前、小さい頃に聞かされた話。
地球岬からはね、落ちて死んだ人がいっぱいいるんだよ。
そういう人は夜になると、じっと崖の上を見上げてるんだよ。そして生きてる人を見つけると喜ぶんだよ。
嬉しくって呼ぶんだよ。海から手を出して「おいでー、おいでー、って。。。」
【場所】
【室蘭市 地球岬から見た夕日】
【訪問日:2019.04.17】