函館市は坂の町。函館港から函館山へと続く道、そこは坂道上り坂。
いくつもの由緒ありそうな名前の坂道が、港から見ると山のほうに向かって伸びていて、山のほうから見ると、当然のように海に向かって伸びていて。
その坂道の中でとくに名所扱いされているのが八幡坂。
元町公園の下にある有料の市営駐車場っぽい「元町観光駐車場」に車を停めて、ちょっと歩いて八幡坂へ。この八幡坂は函館市内の必須のビューポイントともされていて、全国的にも名所となっている場所。
冬のあいだは街路樹がイルミネーションで飾られていて、冬場特有の輝きに彩られて。
ここのイルミネーションはカラフルではないけれど穏やかな一色に統一された、静寂さをかもし出すイルミネーション。
函館港の海へと続くその道は、270メートルほどの一直線の石畳の道。直線道路の向こうには海が広がり、船が浮かび、夜になると向こう岸の夜景が広がっていて。
歩いてみてもあまり感じないところではあるけれど、車で通るとその坂道加減が体感できて、重力の分散を感じられる道。それは、登ってる途中の止まれ標識が恨めしくなるほどで。
歩道は階段状の部分とスロープの部分に分かれていて。階段を上っている限りでは、坂道の急さは意外と感じられないところ。
暗くなればなるほどに、イルミの光が輝きを増していって。街路樹は枯木ばかりだけど、だからこそイルミの光が輝きを失わず灯っていて。
空が青黒く変色していく中、八幡坂は静かに穏やかに光り続ける。
八幡坂は、もともとは坂道を登りきったところに函館八幡宮という神社があったようで。その神社は明治の頃の火事で燃えてしまったけれど、八幡宮に続く八幡坂の名称はその頃からずうっと続いていて。
映画やドラマのロケ地にもなっているこの八幡坂。上をみるか、下を見るかで、当たり前だけの雰囲気が全然違っていて。
本来は坂の上りきったところから見下ろすのが絶景感なのではと、ちょっと後悔(上まで行かなかった...)。
見上げる写真ばかりになってしまって。函館山の山頂のロープウェイ駅の輝きもまた、幻のように夜の山の黒い空間に浮かび上がっていて。夜の帳が落ちるほどに、周囲の灯の明るさが増していく。
暗くなればなるほどに。
暗くなればなるほどに。
ちなみに、イルミネーションは2019年は3/13で終了(これを書いてる今日で終わり)。イルミネーションそのものは、実は二十間坂の通りの方がはるかに賑やかで。冬にイルミネーションの輝きとあわせてみるならば、そちらのほうが華麗かも(ただし、車通りは多そう)。
【場所】
【函館市 八幡坂の冬のイルミネーションと函館山】
【訪問日:2019.03.09】