八雲町は渡島半島を噴火湾側と日本海側を見事に縦断している町。渡島半島を輪切りにするように通っているのがヒグマも住んでる雲石峠。雲石峠を越えて日本海側にあるのが八雲町熊石。
さて、熊石地区の追分ソーランラインに面した住宅街の裏道はもうすでに堤防沿い。そこを歩いていると。
あるねー。なんだろうね。
雲のような形をした奇岩雲石と、その上にちょこんと乗る八雲神社。
強風が吹くと、神社がどっかに飛んでいきそうで...
いまから約450年前、時は戦国の世。この地方を支配していたアイヌの酋長タナケシが、和人の松前藩に対抗して攻め込んできた模様。
松前藩主の松前義広は部下に、タナケシを討つように命じた。しかしながら苦戦に苦戦を重ねたのちに松前軍は敗走。追い詰められてしまった松前軍は、あわててこの奇岩雲岩の岩陰に身を潜めて隠れていた。
そのとき、突如黒雲が岩の間から湧き上がり、雷鳴がとどろき、地鳴りとともにあたりが真っ暗になったという。
この怪奇な出来事に恐れをなしたアイヌ軍が退散したため、松前藩が勝つことができたという。
ちょこんと乗ってる神社の建立も古くて、時は徳川の世、大阪夏の陣の1615年。建物自体がその時代のものかどうかはわからないけれど。
由緒正しいところではあるけれど、いかんせん住宅の裏通り、テトラポットに囲まれた人工感のなかなのが、残念で。
たぶん昔は海岸線の中に、ぽつんと佇んでいて雰囲気がよかったんじゃないかなと。
曇り空というのもちょっと残念で。青空バックに見たかったかも。ちなみに夕日の絶景ポイントとしても有名らしく。
見上げると、崩れてきそうな奇岩雲岩。階段があるけれど...
祠の前まで行きたいけれどよいのかどうかわからずで、下から見上げるだけだったけれど。
うねるような岩肌も、歴史を抱えた岩陰も、いつかは風化のときを迎えそう。そう考えると、寂しい気持ちに。
うん、そだね(聞いてないな...)
この場所はわかりにくく駐車場もないため、気付かずに終わる可能性あり。道路沿いに路駐する方法が距離的には一番近い。
もしくは港付近に停めて(地図の「のどや」と「ひとみ美容室」の間にある海に向かう道あたり)、家の裏通りを歩いていく感じが通行の妨げにならないかも。
ちなみに八雲町には、噴火湾沿いにも似たような岩があるようなのでご注意を。
【場所】
【サイト】 www.town.yakumo.lg.jp
【八雲町 熊石の奇岩雲石】
【訪問日:2018.07.21】